『明治軍事史(上-明治天皇御伝記史料』明治百年史叢書、陸軍省・編

明治天皇と、主に陸軍に関しての記録をわりとジャンル問わずに年代順に並べた本で、特に手が入ってる様子がないのでいわゆる生資料という類じゃないかと思うんですが、まあ正直に言えば今の私が読むようなものではなかったんですが、逆に特に難しい内容があったわけでもなく、ひたすら事実の羅列と言ったところかなぁ。上巻は明治26年まで。
一応徴兵令に対しての反発による死傷事件とか、台湾や朝鮮半島、清国との小競り合いや戦争状態に関しても言及されてるんですが内容が限られてるんだよね、どこまで書いているのかがちょっとわからなかったんですが、明治天皇に報告された内容、という認識でいいんだろうか、一箇所だけ天皇から「朝鮮の米には砂が入ってると聞くが健康に影響は?」と聞かれたということが記録されていましたが、わりと珍しい部類です。
(それは、輸入業者のせいなんだよね…、と言われた側の軍人が考えてるんですが、口からは出さずに調理法や現地の事情などの会話してましたw)

そもそも陸軍てのが幕末にすでにあって、当時も陸軍って呼ばれてたのかなぁ? 要するに本当に薩摩や長州の藩兵なんですね、会津攻めなんてところから記録があり、初期の頃は日比谷練兵場(日比谷公園の土地だよね多分)、習志野の演習場などがよく出てくるのですが移動方法が街道を使っての数日の行軍なのでびっくり。
天皇が移動する場合にはその移動行程もきっちり書くんですね、高崎や府中や、あとどこだっけ? 関東の土地に一回ずつ行くなどの記録もあります。しばらくすると青山練兵場に変わって、軍事顧問がフランス系の人物だったのがいつの間にかドイツ系になっていたり、などの変化があるんですが、ここに対する説明や方針転換の理由の記述はなし。
海軍との関係って明治の頃どうだったんだろ、何度か軍艦も登場するんだけどね。