「日本刀の科学的研究」俵国一

正直なところブックレビューをまとめようとして昭和28年という刊行年に驚いたんですが、え、あれ、GHQから日本刀を美術品として認める、ということが言われたのと同じ年じゃなかったでしたっけ、なぜかあんまり詳しく語られているところが少ないのでそこまで自信があるわけでもないんですが。
(私が読んだのはその活動を主にしていたというお二方のうちの一人。)

これ、美術品として認められたから研究がされることになったのか、それとも日本刀の価値と特殊性を認めて貰うために研究を提出していたのかどっちかでしょうか、正直なところ、研究がそこまで網羅的ではないというか、まだフィードバックがあるような感じでもなかったのでどっちもありえそうなんだけどねー。
細かい日付け調べたところで出版が絡むと日付けが前後するものですし意味なさそうだなぁ、本の中で全然戦後の事情そのものに触れられてなかったので正直もう少しあとの落ち着いてからなのかと思っていたなぁ、まあ東京帝国大学って名乗ってるので時期が古いことは見たらわかったんですけどね。
ええと、科学鑑定においてはまず科学鑑定において分類を行い、分類を行ったものを本来のジャンル研究者が見てその傾向を示し、傾向から導き出された仮説に対してさらに鑑定を行って仮説の裏付けを行い、以下それの繰り返し、というのが定番スタイル。
なのでまあ、この本だと正直まだ触りというか、若干期待外れではありました、そういや私きちんと記憶してなかったんですが年代測定が出来るのって炭素含有物だっけ。金属だとスペクトル分析か、とりあえず、古刀に銅が含まれててなんでぇ? と言われてることだけはわかった、刀の反りがわりと合理的なこともまあわかったよ。