「FRB−ドルの守護神」中尾茂夫
FRBというのはアメリカの連邦準備金制度のことを指すのですが、なんかどうも“中央銀行”を作るのは嫌だったみたいなんですよ、どう見てもNY銀行がそれを担うのに相応しいと思うんですけどね、全部で12銀行の地域ごとの集団なのだとか。
というかもともと、NYが突出していて、続いてシカゴ、セントルイスの銀行がほとんどの割合を占め、最終的にはニューヨーク銀行が事実上の中央銀行としての業務をこなしてはいたものの法的な裏付けがなく国際信用力も低く、アメリカと国外の商取引にイギリスが介在するような始末(しかもイギリスの場合は“裏書”という、銀行間を為替が渡り歩くことが標準的なので責任が自然に分散されている)(最終的にイングランド銀行が保障ね)。
どうも、極端な中央集権を嫌うという性質がそうさせたらしいのですが。
で、替わりに作られたのがFRBをトップに据えたシステムそのもの。
そもそものきっかけ、というわけではないんですが、1907年の“世界恐慌”の時にアメリカの大富豪JPモルガン氏がどういうわけかアメリカそのものを買い支え「いつも危機の時にモルガンがいるとは限らない」と言わしめたと言うのですが。
結局彼の死後、この制度が作られるようになったんですからちょっと面白い。
で、次に救ってくれたのは日本でした、あの体力馬鹿の日本銀行。
なぜそんなわけわからんことするのか、と言われてしまうほどアメリカに従順ですが、他者から見て“致命的な失策”をしても経営に問題が生じてません。んで、もともと農業主体のイギリス頼り(救ってはくれない)で富豪に救われ、独り立ちし日本に買われ、IT産業が発展、したものの雇用が伸びず。ぶっちゃけアメリカが真に強い時期ってあるのか。
ある意味でこう、荒海を細腕で乗り切ってくのがFRBなのか、大変だな。