『アウトブレイク:病原発生と感染ルート』#1 まだらの怪物の復活

天然痘−Wikipedia
ある意味で一番恐ろしかったのは1963年のこととはいえ、福祉意識の高いスウェーデンの片田舎でもなんでもない首都ストックホルムで。いくら患者当人だからといって素人が医学辞典さえあれば症状から到達できる“天然痘”というウィルス性の伝染病を、発症後約一ヶ月以上も医者が見過ごしていたということなんじゃないでしょうか。
つまり「感染ルートがない」という思い込み、せめてインドネシア帰りの患者本人が来院していたら、という言があったんですが、インドネシアに大々的な感染例があるというのは聞いたことがありません(実際、帰路のどこかで、という言い方をされていましたが)。
ウィルス感染後の潜伏期間は2週間、発病した場合の死亡率は3分の1。
感染後3日めまでにワクチンを接種すれば発症率死亡率ともにぐっと抑えられるものの、ワクチンの在庫も少なく、ワクチンからの重い後遺症も残り。


この後、重い代償を払ったスウェーデンは天然痘の撲滅を掲げ。
その資金の提供をし、成功に至りはするのですが(テロルの可能性はまあ置いておくとしても)(あれは逆に、ワクチン開発用に取ってあるのだとのことです)、伝染病は毎年新種が見付かっているのだというのが現状なのだそうです。
でもこう、天然痘って、症状と感染方法(患者の使ったシーツからでも感染、飛沫感染もあり)(天然痘が認識されて以降の対応の悪さは、ウィルスが死者や物からの感染はしないと思い込んでいたことによるかと)と潜伏期間の微妙な期間、治療法がないことから恐ろしくはあるんですが、変異することもないしワクチンも存在するしで対応はあるんですけどね。ある意味でトータル能力の代表選手みたいなものか(不謹慎)。