『アウトブレイク:病原発生と感染ルート』#4 黒チフスの呪い

“ボリビア出血熱の発生の背景と制圧の経緯”(日本獣医学会
“黒チフス”とボリビアの地で呼ばれたその出血熱の正体はウィルスで、それが空気感染も接触感染もしないというところまでは治療スタッフにも医者にも感染していないことではっきりしていたのですが、それにしては感染者数が多く、範囲もよく調べてみたところ村の片側に点在してはいるもののそうとだけ言い切れず。
一つの家で病人が出るとその周囲に広がる、というような独特のもの。
また、患者を隔離しても病人が出ることから、動物由来のものではないか、というところまではこの村に三人の医師が来た時点で見当が付けられていたんですが。
過去の似た症例を当たり、ネズミに絞ったところまではビンゴだったんだけどなぁ、その後、ネズミと人間をつなぐためのノミ等(ウィルスは特定の動物でないと生きられません、守備範囲が広いウィルスもいるけどね)が見付からず。


「なんでネズミの病気が人間に感染するんだ!」というパニックを引き起こしていたみたいなんですが、ウィルスが尿に含まれることはまあともかく、ネズミの食品汚染はもうちょっと早く気付いてても良かったんじゃ、と思ってしまうのは酷でしょうか。。。
あ、でも、言葉が通じてればなぁ、と思うのは悪いことじゃないですよね;
とはいえ、接触感染よりも感染力は低い、という認識だったから仕方ないのかなぁ、アフリカの地で1963年、米兵として派遣された伝染病対策の経験もない三人のお医者様で、そしてその後、それこそここの経験を生かし伝染病に当たられたのが素晴らしいです。
それにしてもマラリアへの対策のため殺虫剤DDTが撒かれ、その結果猫が村から消え、ネズミ由来の病気が蔓延って皮肉な話だなぁ、なんとも。