『都市環境デザイン論’10』#10 多様性と回遊性の都市環境デザイン
ジェイムズ・A・スワンの「聖なる場所」14類型の分類というものがありまして。
墓所や霊園、先祖を埋葬する場所。浄めの場。癒しの場。聖なる植物や動物の場。石切場。天文観測所。聖堂、寺院。史跡。霊的に生まれかわる場所。神話や伝説の場所。ヴィジョンを得、夢見を行う場所。岩の芸術の場。豊饒性あふれる土地。太陽が昇る儀式を行う場所。
結構曖昧な内容なんですが、多分これ、それぞれ実例を考えてみようとすると案外するっと答えが出てくるような気がします、なんでもスワン氏は、都市は聖なる空間を内側に内包している必要がある、ということを唱えておられるそうで。
いやだって東京…、と考えたところではたと止まったんですよ、ああ、皇居。
この回の主なテーマは広島、前に路面電車中心で街造りをしてた回(第6回)とごっちゃになってしまったんですが、この都市の中核となっているのは原爆ドームを初めとした平和のモニュメント。その最初になったのは1949年、でいいのかな? 平和記念公園がコンペにてイサム・ノグチ氏に決定したことによってのようなのですが。
この方、なんでもアメリカ人(日系)だったので公共建築の橋は作れなかったらしく。
なんかその周辺をちまちまと美観整えていたらしいんですが、おかげでその周辺に人が集まるという後の時代の流れを作ったって言っちゃっていいのかなw
もともと広島には洪水対策である太田川放水路という太い人工水路がありまして、ここに雁木(がんぎ)という、階段状の荷揚げ場があり川と地上をつないで、かつて荷降ろしなどにも盛んに利用されていたそうなのですが、その余裕が残してあるので川に出やすい。
アメリカのポートランドの市民が全て作り上げたパイオニア・コートハウス・スクエアもそうですが、入れ物や場所があっても、そこでなにかしたいってのは少し別の話だよね。