「民の光芒-電力・闘魂の譜」志村嘉門
明治時代からの近代化の流れの中で、国の支援を多かれ少なかれ受けた産業がほとんどだった中で、ほぼ最初から最後まで民間の力のみで開発された(東北にあった官営企業はその例外だったみたいですね、というか電力関係の人たち官嫌い結構いそうだよなぁ…無理もない話ですが)(阪急電鉄の小林十三氏の官嫌いも有名な話ですが、昔から電力関係と関わってるならそっちから来てるのかもしれませんね)電力会社なんですが。
さすがに数が多すぎて政府の調停があるところまではわかるんですよね。
5大電力とされたのは元祖である東京電燈、中部系の日本電力、もともとは日本電力の親会社だった宇治川電気、有名な投機家である福沢桃助(福沢諭吉の娘婿ですね)と関わりがあった大同電力に東邦電力。
あと特に印象的なのは松永安左エ門ですかね(福沢桃助の慶応大学の後輩)、それと同じく慶応で彼の友人である、阪急電鉄から東京電燈の建て直しに呼ばれたという小林十三辺りかな。全然電気のことがわからなくて、ライバル会社を率いていた松永に教わったって噂があるらしいんですが、松永さんと小林さんだとまあやりかねないww
(東京電燈とのちに合併した東京電力時代ですね、まあ合併の準備だね。)
親会社にも平気で噛み付く、東京電燈に正面切って喧嘩を売る「もっとも攻撃的だった」日本電力なんかも結構面白かったんですけどね。
人物単位で、ということだとむしろ複数の会社に関わった上の辺りかなぁ。
戦時中に“日本発送電”が国の手によって作られたんですが、買収かと思ってたら所有権はそのまま経営権のみ自分たちで仕切るよ、という体裁だったのか…無茶苦茶だなこれ。
戦後の解体に反発したという話も軽く触れられてましたが、こりゃ酷いなー。