「死との約束」エルキュール・ポアロ16、アガサ・クリスティ

死との約束 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

死との約束 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 まず、とある老女がいて。

その家族は(血がつながっているのは一人娘だけ)、彼女に奴隷のように隷属させられていますよー、というところから始まる話。まあ小さい頃から念入りに役立たずに育て上げられてしまっているってのはわからないでもないんだけどね。

正直、もどかしい気持ちにはなりました。

ええもう、お金なくたってなんとか暮らしてけるよ。

看護婦の経験がある(資格はまだなくても)奥さんが、あたしが生活費を稼ぐ、とまで豪語してくれてるのになーにを迷っとんのじゃ旦那ーっ?!

とかどつきたくなります、男のプライドってやつなんですかねぇ。これ。

 

そのお家には他に(旦那が長男、実の娘が末娘)、妙に似た雰囲気の兄と妹がいるわけですが、彼女たちは末の妹が精神的に切羽詰ってきたのを見て、なんとか彼女を救おうとし、老母の殺人計画を囁き、たまたまポアロさんに聞かれました。

しかしまあ結局、彼らも例に漏れずあんまし実行力とか決断力ないけどな。

あとその家の奥さんに心を寄せる間男志願者、医者が男女二名ずついて。

ある日、老母は冷たくなっていました、とりあえず家族全員疑わしいところから事件はスタートです。わりといつものことかなって気もしますが。

この話は最終的にぶっちゃけて「吊り橋効果」起こってねぇ? とか聞きたくなっちゃったんですが。ええ。わりとスタート地点では想像してなかった展開でした。

そんなに念入りにその場にいる相手同士でやたらと婚姻関係結ばなくてもいいじゃない、特にどう考えてもお人好しのアメリカ人は絶対本来の君のタイプと違うって!