「東京 都電慕情」ヴィークル・グラフィック、林順信

まずレトロ建築から始まって、瓦葺の商店(残ってるのもあるんだww)、橋に坂、祭りの風景に劇場などの大衆芸術に学校、と続く写真中心の本で、普通の鉄道の本は皆頭から撮るんだけどね、とご当人も言っているのですが、これはお尻から撮ることもあるし、系統番号に一番拘っていたり、とかちょっとずつ変わっていて、時代が特に絞られているわけでもないのでそこまで歴史風景としての価値が高いわけでもないかなぁ、とも思うのですが。
かつての都電を好きな人たちの中に、街の一部だから好きなんだよ、という嗜好の人は結構な数がいて、そのために作られた本だと考えていいんじゃないかと思います。
もともと路面電車好きってちょっと鉄道趣味の人たちとは語り口調なんかも違うよね。
(都電の本で本当に車両のページを外注してた潔い人も見たことありますw 全部がわからないわけではないんですよね、自分に縁のある車両は好き、でも網羅出来ないのww)

 

学校のあとが車庫、火の見櫓(これメインの写真は始めて見たなぁ)、あまり数がなくて主に今の荒川線系統にあった専用軌道(道路と併走してない部分ですね、だいたい普通に砂利が敷いてありますよ)、分岐・交差点とそこにある信号所、て、どういう使い方してたのかよく知りませんでしたが人がいたりいなかったりしたのかw
今のJR駅の近くに、終点折り返し地点、トロリーバスと一緒の写真、とまあこの辺は完全に鉄道施設なんですけども、やっぱり都電なんであくまでも街の風景の一部なんですよね、というより普通に写すだけで切り離すことが出来ない。
荒川を越えた元・城東電車とか特に、一部は残しても良かったんじゃないか、と何度も考えたことですがしみじみと、んでやっぱり、無理があるよなぁと感じる部分もやっぱり。
しかし、都電を止めてやる、とにやにやする祭りなんて楽しそうだよなぁ。