「秘蔵鉄道写真に見る戦後史(上 昭和20年代」原口隆行・解説

タイミングの問題でこの本と『明治37年の鉄道旅行』(日露戦争の年なので今更ながらだいぶ対照的な気もしますw)を交互に読んでいたんですが、『明治~』のほうは大陸中国や韓国などの話にまで広まるものの、地方の話なども多く含まれた内容で、どちらにも特に予備知識がなかったんですが、私の両親が戦後世代と呼ばれてたせいか戦後本のほうはだいぶ違和感なく読めていたような気もします、薄っすらとは覚えがあるのかな。
ただまあ、テーマや質の違いなんてのもあるんだけどね、こっちの本は最初や地域があちこちに飛んでいる部分などはちょっとしんどかったのですが、生活の話やシステム面、当時の風俗などにも鉄道を通してさりげなく触れていて歴史好きだとこれ面白い気がする。
どっちかというと、鉄道好きなだけだとちょっと難しいところもあったかも。

特急なんかが戦後どうやって、どういう順番で復活していったという部分や、修学旅行の専用車なんてのもこの少しあとで出てくるようになりまして、戦時中には旅行は難しかった、なんてことがいろんな写真を通して伝わってくるのも良かったな。
あと、なんといっても写真が良いと思います、鉄道趣味の人でもほとんど見たことないだろう写真が揃ってるというか、もともと定期発行の雑誌かな? のために撮られていた写真だったようですね、そういや、戦後ってわりには直接の復興風景はないな、と思ってたんですが、雑誌写真だとしたらそんなものかもしれないなぁ。
ちょっと今思ったんですが、ある意味で日記+リアルタイム写真みたいな性質の本だったのかも、で、監修が元・国鉄マン(JR東の初代トップですっけ?)ともなるとちょっとした勘違いなんかはちゃんと直されてるだろうしなw
どこかが特別に優れているわけでもないですが、当時の風景の本としていい内容でした。