「進化する路面電車-超低床電車はいかにして国産化されたのか」交通新聞社新書018、史絵./梅原淳

進化する路面電車―超低床電車はいかにして国産化されたのか (交通新聞社新書 18)

進化する路面電車―超低床電車はいかにして国産化されたのか (交通新聞社新書 18)

 

 

共著らしいのですがコラムはともかくとして、どうもどちらの著者がどの部分を書いているのかわからず、ほぼ同意見の人と見ていいのかな?(鉄道本での共著ってどちらかというともっと寄稿っぽいのとか、完全に専業部分が別れてたりってイメージでしたが、この本はまだ1冊を書くには不安だったみたいなニュアンスなのかな)
すごく大雑把にサブタイトルである超低床車両の技術と、日本の路面電車の将来みたいな本なんですが、LRTはともかく、DMVなども含めて語られていて、どっちかというと理念的な話よりも具体的な指針の話みたいなものが多く。
各都市によって事情はそれぞれ違うものの、超低床車が良いということはわりと共通している、ということが言われてたんですが、これはもともと地下鉄などの交通機関を使うのが大変だったり、自家用車が持てない層がユーザーという日本の状況を考えるとわりと当然の結果だったんじゃないかとは思うものの、今まで見てた本では他交通機関の補佐的存在として位置づけられていたことが多く、それが欧米での路面電車の立ち位置らしいんですが、日本ではちょっとまあ、夢のまた夢ってところはあるもんなぁ。
(一つの地域に一つの公共交通機関がやっとみたいなレベルだし。)
しかし、車椅子利用が可能になるような超低床車の導入で8%の乗降数のアップってのは馬鹿にならない数字だよねぇ、本当に。

私今までPCCカーって、かつての日本の路面電車廃線ブーム(本当に流行りに乗り遅れるな!! みたいに競って廃線されました、マジ)の頃に役に立たなかったことばかり聞いていたんですが、技術の高低以前に、そもそも当時、日本に「鉄道の乗り心地」って概念あったのかすら怪しいな…。ううん、世界一の鉄道王国か、なんだろうそれ。