「講座・日本技術の社会史(5 採鉱と冶金」山口啓二・編

んーと、1983年で昭和58刊行、ちょっと新しいジャンルに手を伸ばしていたので久々の論文集だったんですが、古代、中世に関しては技術というよりも時代の専門家、中世から近世に関しては発掘メインの方が担当していて、そこから近代産業に関して触れる形でだいぶ異分野に跨っている感じでした(そして近代の人によって近世の「野だたら」の鉄の精度の話が補完されていたんですが、ひょっとして前の方の章読んだのかなww)。
でもそれにしてはいいまとまりっぷりで面白かったなぁ。
さすがに歴史そのものに興味がないと厳しいと思いますが、前提知識はそんなになくても読めるんじゃないかな、少なくとも技術的な面に関してはほぼ鵜呑みにするしかないんですがそれでもきちんと解説してくれていたしね。
あとは石炭に関してをわりと語って、石油を利用した形跡もあるんだけどね、アスファルトは接着剤として使っていたらしいものの臭いが酷くて行灯には使えなかったとか、まあそりゃいろいろ厳しいだろうなぁ…。

砂鉄に関してはほぼ日本全国で取れて、炭は運ぶのが大変だったのでどうもたたらに関しては炭の近くにあったんじゃないかなぁとか、農民が精鉄(銑鉄?)を行っていたんじゃないかなー、ということが触れられていたものの、要するにあれかな、炉は誰が使っても特に問題ないみたいに共有されていた、ということ?
燃料というか炭を用意出来るものが鉄を精製してたのかなぁ、とか、いろいろわかりませんでした、発掘の方が銑鉄のことしか触れてくれないので野だたらで精度が低い鉄しか取れないのかと思ってたら副産物だったのねww
精度の高い鉄をちょっとずつ砂鉄から取り出していたのかな、面白い仕組みだなぁ。