『日本の美術137 刀剣-大和と美濃』小笠原信夫・編

鎌倉か室町時代辺りに出来たと言われていてあまり一般的に語られているわけでもない日本刀の分類に5伝というものがありまして(目安みたいな感じだしね)、その中に大和伝と美濃伝というものがあるんですが、この場合はその認識のほうがわかりやすいんじゃないかな、他が備前伝、山城伝、相州伝みたいな感じです。
で、大和伝というのは要するに大雑把に奈良です、平城京ですよ(多分)。
伝説の刀などの本で時々「小烏丸」という刀について聞くことがあるのですがこれの刀工とされていたのが天國(あまくに)という人物で、まあいいんですけども、どうも平安末から鎌倉初期くらいの刀がよく彼のものとされてるらしいです、えーと、天国という人は大同の頃の人だそうです、西暦だと806年から810年、平城京の頃ですね。
なんとなく最近この方の名前が記述されなくなった理由がわからんでもない。
まああんまり細かいことは気にしなくてもいいと思います、伝承されたのは事実だし。
本阿弥さん家(代々の刀目利き)って本当に大らかっていうか、良い刀であれば来歴にそんなに拘ってないような気がしてならないんだ…。

大和伝の系譜だとされている美濃伝もどちらかというと質実剛健らしいのですが、大和伝も華やかさを売りにする備前や山城とは違って実用品だったのではないか、と言われてるんですがどうなんだろう、私だと千手院しか見たことないんですよね正直…。
ええと他が当麻、手掻、尻懸、保昌が大和五派、であと南北朝の金房派。
美濃鍛冶だとやっぱり孫六と之定くらいしか知らないんですが、こういうのって実際に持ってみるとかしないとわからないものなのかなぁ。美濃伝とか大和伝の系譜の現代刀ってないのかしら、江戸くらいだと伝承刀ってありますよね。