『天海祐希 パリと女と名画たち〜魅惑の新オルセー〜』

新オルセーってなんじゃいな? と思ったらあれか、オルセー美術館が改装されたのでこういう番組が作られたんだよん、という趣旨だったんですね。なんかくだくだと説明が述べられてましたが、もともと美術館は窓が少なく(西日が一番美術品を傷めるんだったかな?)、天井にあった光の取り入れ方が変わり、あと白かった壁が海草由来の黒っぽい塗装になったとかそんな紹介でした。
絵の見え方が違うのは見たらわかるんだけど「新」って付けるほどなのかしらw


オルセーってのはまあ有名ですが大雑把にフランスの近代という時代そのものの流れの中で印象派が生まれたあと、その中の一人がわりと金持ちだったので友人たちの絵を生活を支える意味で買い続け、彼の死後も別の画家が続けたんだよ、という趣旨で生まれ、画壇は反対したけれど庶民はその美術館を作るのに大喝采を送ったんじゃなかったかな?
なんとなく今となると逆に聞こえないでもないけど、印象派ってのはそれまでの神話に題材を借り、架空の神や女神を描いた絵画から脱却し、目に見えたままを描く、という若い画家たちの集団で、彼らとその絵の題材にもなった女性の社会進出の初端が同じ時期だったというのもなんとなくわからないでもない話かなぁと。
もっと不思議なんですが踊り子がその第一弾みたいな存在だったのか。
パトロンがいて彼らの庇護を受け、ということを聞いてしまうとむしろそれと逆の印象になってしまうんですが、そういやそれ以前は男の庇護を受けられないと餓死するしかなかったって聞いたこともあるような…。
そしてなぜ画家はその踊り子や(ドガかな?)、娼婦であることがわかる女や、生身の女を聖母として描いたのかというテーマはなかなか面白かったですよ。