「図説 駅の歴史-東京のターミナル」交通博物館・編

正直なところ両国橋駅(→両国)で総武鉄道(今の総武線の私鉄時代)に東武鉄道が乗り入れしていて、あのまま続いていたらターミナルだったのにね、という内容とか、その後自力で浅草に到達はしたものの省線(まあ今のJR)との接続がなかったのでどうしてものちのち大変になりましたとか。

押上にいた京成が上野まで乗入れたんだけど、とか、個人的に結構面白い内容はあったんですが、あくまでそういうのじゃなくて、うーん、東海道線に始まって山手線が少しずつ出来上がってきて、中央線が東京駅まで延びて来てたよ、みたいな東京を中心にした鉄道の歴史の本だったのかなぁ、という気も。

それほど気になるわけでもないんですが、昭和8年の京成上野駅を「山手線の内側に入った初めての郊外電車」って表現はちょっとよくわからない。新宿系の京王も西武軌道も入ってたし池袋でもあったよね、渋谷も玉電があれ郊外電車の括りのはずですし、内側に路線持ってるんだけどなー。鉄道博物館の編集らしいのでそういうニュアンスで語られてる元があるんだろうと思ってるんですが、同じ本の中で表現が一致してないのはちょっとw

そもそも中央線の前身の甲武鉄道って私鉄時代に市内にいたよね?

 

面白かったのは中央停留所として計画されたのちの東京駅と、多分機能を分散する予定だったんじゃないのかな、という万世橋駅の関係。これ、よく読んでると万世橋が持つはずだった中央線特急列車の発着が新宿に移り、新宿が通勤ターミナルと化した、という流れになっていて、ああ、東京駅と新宿駅で機能分散したのか、と感じる展開なのが見事。

新橋から始まり、上野につなげなかったという鉄道初期の状況なんかに関してはかなりわかりやすい内容だったと思います。駅が絞られてるからテーマまとまってたんだろうな。