「百貨店の誕生-都市文化の近代」初田亨

勧工場、もしくは勧業場(民間のものですね、そのうち同じく勧工場に)と呼ばれた博覧会の跡地に作られた商品展示場は話には聞いたことがあったんですが、一時期日本全土に、という勢いで増えて行っていたのは知らなかったですし、その後ほぼ一斉に消えていったのも知らなかったんですが、この本の中で百貨店のルーツとして扱われていたのは納得。
なんというかウィンドー・ショッピングの原型という時点でもそうなんですが、消えた時期を考えてもほぼ同じ機能を持つものに吸収されたって考えるほうが妥当よね。

百貨店そのものの歴史になるとある程度本を読んできているんですが、ああ、そういや百貨店の発展期に関東大震災(大正13年)を挟んでいるせいで、ちょっと関西と関東で歴史が違うと言われたらばわかりやすいですね。
というか地下鉄の開業(昭和2年)ののちに百貨店が次々と駅を作ることの申し出をした、ということが語られていたのですが、それこそ関東大震災での建て替えなり新設だののあとって認識したほうがいいのかもなぁ。ちょっと細かい年代まではわからないんですけどね、あ、あと新宿にあった三越がもともとスーパーから発展したものってのは始めて知りました、そっか伊勢丹とそんなに時期変わらないと思ってたんですがちょっと違うのか。
北海道に三越が行ったために「10年は進歩しました!」というのは、あー、さすがになんかちょっとすごいですね。サービス面などでは白木屋といい勝負をしているんですが、文化貢献みたいな意味だと三越が圧倒的な気もするなぁ。
土足の店舗内への受け入れをしたのも百貨店が始めてだったようなのですが、これは三越はちょっと遅れて、他のところも下駄預かりなどの負担から、とか、結構及び腰で、やっぱり文化の違いってありますね。当時舗装道路少ないし! と言われると確かにww