『食彩の王国』#201 くるみ

クルミ−Wikipadia


姫胡桃ならまだしも、鬼胡桃を割るのは大変、というのは多分、姫胡桃のほうが少し丸みを帯びているからじゃないでしょうか。わりとどこを叩いても割れる、というか力の伝わりやすさはあるんじゃないのかなぁ。
今現在農家で作られているのは主にアメリカから伝わってきたもので、我々がよく見掛ける完全な球体に近いようなのがそれ。そっか、日本古来種ってのは別にあるんですね。
今でも一部の地域、自然に生えているものから時期には収穫されるようですが。これは割りにくいという以前に、土の中に埋めて包皮の部分を腐らせないと食べられない、という大変な手間なのだそうで。
とはいえ、山の中、魚も肉も手に入らないところで貴重な栄養源だったようですよ。
(その代わりに手間を掛け、形態を変えて食べられる、というのも定番ですね。)


そのまま食べることも出来ますが、炒って食べたり、すり潰して粘りを出したものにご飯を練ったもの(五平餅ですな)にしっかりと絡み付けて、焼いて食べたり。小魚と一緒に炒って味を移したもの、というのもわりと定番。
欧米では時期になると七面鳥にソースとして詰めてじっくりと焼き。
クランベリーソースの中に入れてパイに掛けて食べる、という感じで見た目は違うものの、栄養を取ろう、とする基本方針はあまり日本と違うような気もせず。もしかしたら貧しい中での精一杯のご馳走だったという片鱗も残しているのかも。
けれどまあ、手間の掛かる料理は今でも十分なご馳走ですよね、不思議な変遷です。