「図説 大航海時代」増田義郎

まあ、タイトルやら表紙の傾向からして仕方ないような気もしないでもないんですが、大雑把に「ヨーロッパの大航海時代」、しかもイングランドのそれを主に期待して借りてきてしまい、もちろんそれに先行するポルトガルやスペインなどは想定の範囲内だったんですが、さすがにシルクロードから始まるとは予想してもおらずw
とはいえ、あくまで西洋寄り視点ではあるんですよね、中国の宋代の鄭和なんてのも取り上げられてはいたものの、要するにプレ大航海時代的な扱い。
例えば有名なところでも北欧ヴァイキングの開拓なども全く触れてませんし。
中国の貿易事情に関して西洋との関りで必要だという部分のみ。
最近はポリネシアやら南米大陸などへの移民航海などの話もそれなりに知られてきたと思うのですが、そこに関しても単語そのものすら存在せず。
ぶっちゃけてアジアから語り始めるかのように見せかけてヨーロッパ視点、というのはちょっと勘弁して欲しかったですかも。アジア扱うなら他にもっとずっと語るべきことはあるだろうに、というのが正直なところではありました。
(そして紙幣が最初に使われたのは普通はモンゴル時代ってのが通説だよなぁ?)
ただまあ、あくまで本そのものがヨーロッパ寄りの視点である、と飲み込めば長い間東側の国々にこと貿易の点では全く適わず、それがために新航路の開拓へとまい進していったんだよ、という流れとして読むとまあまあ悪いものではないですかとw


とりあえず私は、イタリアのヴェネツィアやジェノバの貿易を、大航海時代の一環として扱った本は見たことがないというか、少なくともそこまで進むと本そのものの意図もわかりやすくなるかと思います、ポルトガルがいきなり始めたんじゃないんだよね、うん。