『日本の美術45 石造美術』小野勝年・編

私このシリーズを見てきてカラー写真と白黒写真の品目がかなり被ってるというのは初めて見たんですが…(一部の最重要なものに関してはカラーにも出て白黒で部位を、というケースは結構あるけどね)、要するに絶対数が少ないって認識でいいのかなぁ。
あとあれ、道祖神に関してはそんなに古いものだと思っていなかったんですが、この本で出てきていたのもあくまで一つだけだったので、その辺の兼ね合いどうなっているんだろう一体、どっちかというと中世くらいまでを想定していたのではないかと思うんですが。
反面、かなりの規模でしっかり残っている石仏などを私が知らなかったんでどうにも偏ってるよなぁ、という気が(ヒキガエルみたいだと何度も言われていた亀石のほうが見覚えが)、いや、仏教関係や寺院関係の本それなりに読んできてるつもりだったんですが、美術史のほうから取り上げてる本じゃないとお目に掛かれないんだなぁこの辺。
そういや私も石造? という意味でちょっと心許なかったものの、物を見てみると海外の寺院などではたまに紹介されている形式に近いのもあるんだね。
前に見ていた『見仏記』でも石仏のことをかなり珍しがっていた風情だったしなぁ、ううん、いわゆる有力寺院などにないというだけのことなのかもしれないんですけども、見るだけの価値があるものを紹介しないのがちょっと残念。
正直なところ、わざわざは行かないんですけども、この先にありますという表示があったらあれは見に行くよねぇ、博物館でも見たことないし…珍しいからなおさら。
 
そもそも年代測定が事実上不可能であり、それこそ土器と一緒に埋蔵されてでもないと無理! と言われていたり、町中にある分いつからそこにあるのかも不明だったり、一部の職人の記録程度しかないんだろうとも思うんですが、せめて石仏は紹介してて欲しいなぁ。