近代以前戦記

「戦国武将を育てた禅僧たち」小和田哲男

この本を手に取った時点でだいたいあの辺が出てくるんだろうなー、と半ば予想してまして(一回でも読んだことある人だとだいたい覚えてると思う、強烈だもん)。で、やっぱり出て来たのが雪斎さんだったんですが今川家の。というか今川義元氏の台頭する理由…

「完訳フロイス日本史(6」ザビエル来日と初期の布教活動-大友宗麟篇1、ルイス・フロイス

えーと、そもそもシリーズそのものが大友宗麟篇をラストに、織田信長篇から始まって豊臣秀吉篇と続いていたんですが、ここに来て1巻で少しだけ見た(確かフロイスさんの来日前後だけ入ってたんじゃなかったかな)時代の続きってことになるのかなー。という…

「戦国と宗教」神田千里

ちょっと前に同じ著者さんの浄土真宗・本願寺派に関しての本を読んでいたので仏教の本かな? と思い込んで借りてしまったんですが、どちらかというとこの時代の神仏に関しての同時代人たちの態度や、新興宗教としてのキリスト教に関しての扱いなど、タイトル…

「秀吉の出自と出世伝説」歴史新書y038、渡邊大門

ざっくりとまとめると多分秀吉は若い頃に薪売ってたことはある、あと針売ってたこともあってもおかしくない、完全な武士の家系ではないだろうね。阿弥号を持っている人物はまあ別に、時宗の人らなんでそこらにいてもおかしくはないんじゃないのかなぁ、同朋…

「戦国の陣形」乃至政彦

正直なところその後の展開で(「ライダーキック」は別にいいよ古いし、「ティロ・フィナーレ」ってww 最近の魔法少女アニメww)、半ば記憶がすっ飛んでしまって本題部分を忘れてしまったものの、戦国武将らが戦場で必殺技のように陣形を認識していたので…

「完訳フロイス日本史(5」「暴君」秀吉の野望-豊臣秀吉編2、ルイス・フロイス

正直だいぶ今までと比べて読みやすかったんですが、記述に関してはどう読み取っていいのかが微妙というか、インド副王の使いだのポルトガルからの使者だの、多分これ、世界史のほうの知識がないと読み取れないんじゃなかろうか、いうところがぽちぽち。いや…

「戦国政略結婚史-浅井三姉妹が生きた時代」歴史新書y011、髙野澄

個人的には熱田神宮と源氏関係の話をもっと読みたかったというか、巻末の徳川家斉に関してもわりと良かったんですがどちらも若干駆け足になってしまっていて残念だったのですが、ことメインの戦国時代に関してはうーん、もうちょっと考えなきゃならない要素…

「検証 長篠合戦」歴史文化ライブラリー382、平山優

この長篠合戦というのがどういう戦いであるのかというのは覚えていないのですが(関ケ原とか大阪の陣とか、それ自体で流れが変わった戦に関して幾つかって程度)、要するに武田信玄の後継者である武田勝頼と織田と徳川の連合軍がぶつかりあって、その後の勢…

「戦国仏教-中世社会と日蓮宗」湯浅治久

鎌倉新仏教とかつて呼ばれていたものが否定されて、という説は聞いたことがなかったように思ったものの、よく考えてみると「一度そう呼ばれなくなったものの、その後また復活して最近は呼ばれ直している」みたいな経緯に関してがこれかな?要するにあくまで…

「戦国の交渉人-外交僧・安国寺恵瓊の知られざる生涯」歴史新書y020、渡邊大門

戦国の交渉人 (歴史新書y) 作者: 渡邊大門 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2011/08 メディア: 新書 クリック: 2回 この商品を含むブログ (4件) を見る このタイトルに書かれている「外交僧」というのが一定の機能としてそういう人たちが複数存在している…

「完訳フロイス日本史(4」秀吉の天下統一と高山右近の追放―豊臣秀吉編1、ルイス・フロイス

織田信長篇までが3巻で終了して、再編成されているので若干の時代の前後がありつつ(信長の章の中に普通に秀吉出てきてたけどね、当たり前だけど)、ここからが豊臣秀吉篇だったのですが、んー、なんか織田信長に対しての評価は多少どうかな、と思う部分が…

『日本古代中世史 '11』#14「近世を準備する戦国社会」

そもそもこの今川氏は「桶狭間の戦い」で信長に奇跡的に負けてしまった側ということくらいしか知らない人も多いのではないかな、と思うんですが、実際どうなんだろうね、なんかだいぶ妙なイメージが付加されてたらしいってのはちょいちょい聞いてたけど。ん…

「戦国 三好一族―天下に号令した戦国大名」今谷明

この本の中で「堺幕府」というものが出てきて要するに京都から追い出された足利家(足利義維)が4年ほど機能させていた臨時政府らしいんですが、そのことを全然知らなかった、を通り越してそもそもこの時代に大きな出来事があったということすら全く触れて…

「ここまでわかった 戦国時代の天皇と公家衆たち-天皇制度は存亡の危機だったのか?」歴史新書y057、日本史史料研究会・監修/神田祐理

ここまでわかった 戦国時代の天皇と公家衆たち―天皇制度は存亡の危機だったのか? (歴史新書y) 作者: 日本史史料研究会,神田裕理 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2015/12 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る とりあえず日本の歴史というのが…

「桶狭間の戦い-信長の決断・義元の誤算」歴史新書y008、藤本正行

まあ一言で言ってしまえば30分くらいで読めたので別に悪いとは言わないのですが(既存の説が大量に盛り込まれていたから、なにかを読む時には参考になる可能性もあるしね?)(ない可能性もあります、この程度なら別に読めばわかるしなぁ…)、既存説を取り…

「織田信長・豊臣秀吉の刀剣と甲冑」飯田意天

タイトルはこんな感じになってますが、信長や秀吉を筆頭に近い時代の武将の武具に関しての本で、正直なところすごく見やすい読みやすい本でした、ただ、この時代の資料がこんなに綺麗にまとまっているわけはないので…もうちょっと原典を出してくれたり、異説…

「名物刀剣-宝物の日本刀」佐野美術館/徳川黎明会徳川美術館/富山県水墨美術館/根津美術館

この本(目録のようなものかな?)の中でそもそも否定されているのですが、日本刀における「名物」というのはざっくり『享保名物帳』に載っている刀がまず代表的なもので、それ以外の独自基準で、ぽち、ぽちぽち。ここで名物帳以外で載っていたのは名家の秘…

「信長の血脈」山本博文

ちょうどこの本を読んでいたのが2016年(5月ですね、いつこのデータを反映するかは不明ですが、溜め込むタイプなので)で大河と時代が被っていたのでそういう意味ではわりと面白く読めたものの、人名頻出なので戦国時代好きではないとちょっと面倒かな…

「室町期 美濃刀工の研究」鈴木卓夫/杉浦良幸

確かこの杉浦さんという著者さんのほうだと思うんですが、日本刀というジャンルで唯一と言っていいくらい学術として成立する書き方してくれてるので好きなんですが、いやだって、異説だとか資料が曖昧だとかそういうレベルから書いてないし…。(非難や揶揄と…

「「かぶき」の時代-近世初期風俗画の世界」季刊論叢日本文化5、守屋毅

少し前にこの本を念頭に置いてこの直前の時代を書いていた本(>「落日の豊臣政権-秀吉の憂鬱、不穏な京都」河内将芳)を読んだのですが、要するにあれか、豊臣秀吉の死んだ少しあとくらいの時代で、それとどういうわけか昔読んだ全く別の本を思い出してし…

「伊達政宗の戦闘部隊-戦う百姓たちの合戦史」歴史新書y、中田正光

伊達政宗の戦闘部隊 ~戦う百姓たちの合戦史 (歴史新書) 作者: 中田正光 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2013/02/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 私にとっては正直なんてこともない本だったんですが、もともと戦国大名に興味がなくて民衆の…

「戦国期の室町幕府」季刊論叢日本文化2、今谷明

とりあえずこの本を読んで収穫だったのは京都五山(禅宗)がどうも足利将軍の権力を後ろ盾に高利貸しをやっていたらしいこと、この辺に関しては荘園側から見た歴史みたいなものでもう少し突き詰めたいんですが、要するに高利貸しやってると土地がごろごろ増…

「完訳フロイス日本史(2」信長とフロイス-織田信長篇2、ルイス・フロイス

1巻の途中で観音菩薩だったかな? まあなんか仏像…(確認したら阿弥陀仏でした、あれもファンが多いエキゾチックな造形ですよね)、阿弥陀仏に一目惚れしたのかその後馬鹿にしまくっていた日本への態度がすっかり軟化して、比較的まともな態度を取っていた…

「朝倉孝景-戦国大名朝倉氏の礎を築いた猛将」中世武士選書23、佐藤圭

とりあえず冒頭の時点でなにを読んでいるのかわからなくなり、読み返すこと3度で、なにかと思ったんですが、馴染みのない題材時代の上、この本を書いた方が素人だったとのことで、少し進んだ時点で頭に入るようになって安心しました。あと、正直なところな…

「素顔の伊達政宗-「筆まめ」戦国大名の生き様」歴史新書y025、佐藤憲一

素顔の伊達政宗?「筆まめ」戦国大名の生き様 (歴史新書) 作者: 佐藤憲一 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2012/02/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 伊達政宗というとまず思い出すのが大河ドラマなのですが、なんか見ていてちょくちょくよくわ…

「豊臣秀次-「殺生関白」の悲劇」小和田哲男

正直なところを言うとかなり微妙な内容だったのですが(ただ著者さんは存じ上げていたので読み続けましたよ、真面目な人だよね)、あれだね、やっぱり著者さんそのものというより、この近辺のジャンルがかなり最新研究が進んでしまっているところだから違和…

「徳川家康の詰め将棋 大阪城包囲網」安部龍太郎

この少し前に織田信長時代の京都、という本を読んでいたんですが、これは広い時代を扱っていても実に面白い内容だったのですが(現状の京都ではこの少しあとの時代に大改造が行われているので、文献中心ですね)、こっちはなんだかちょっといまいちだったか…

『日本の美術142 正宗-相州伝の流れ』本間薫山・編

面白い内容ではあったんですが、正直なところ刀全体の流れや多少の考え方のプロセスみたいなものがわからないと読めない部分はあったので、遅く読んで良かったとも言えるし、もともと地域の刀工らの集団である相州伝がまず存在し。その集団の工法に近いもの…

「信長の城」千田嘉博

信長の城 (岩波新書) 作者: 千田嘉博 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2013/01/23 メディア: 新書 この商品を含むブログ (9件) を見る とりあえずかなり初っ端から軍学もしくは軍学寄りの用語は正確でもないから使わない、という宣言があってちょっとびっ…

『日本の美術64 刀装具』加藤進・編

刀装というのはそもそも日本刀における刀身以外の部分を全てひっくるめての呼び方のようなのですが、この職工が独立して名乗るようになるのは他の職人らと比べてだいぶ時代が下り(実際複数の工房のようなスタイルで刀を作っていたとは聞きますね)、逆にそ…