『日本古代中世史 '11』#14「近世を準備する戦国社会」

そもそもこの今川氏は「桶狭間の戦い」で信長に奇跡的に負けてしまった側ということくらいしか知らない人も多いのではないかな、と思うんですが、実際どうなんだろうね、なんかだいぶ妙なイメージが付加されてたらしいってのはちょいちょい聞いてたけど。ん…

「邪馬台国の候補地・纒向遺跡」遺跡を学ぶ051、石野博信

邪馬台国の候補地・纒向遺跡 (シリーズ「遺跡を学ぶ」) 作者: 石野博信 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2008/12 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 9回 この商品を含むブログを見る 大雑把に現在信用しているのがこの纏向遺跡そのものが宗教を中心とし…

「中世を読み解く-古文書入門」石井進

まあ、中世文書をがばがばがばがば読んでいて特に面白くないこともなかったんですが面白いようなことも特になかったです、というかこれ、なんかの講義のテキストみたいなものですよね多分…。例えばまあ裏紙に文書を書いていくことがあってその場合に「どちら…

「戦国 三好一族―天下に号令した戦国大名」今谷明

この本の中で「堺幕府」というものが出てきて要するに京都から追い出された足利家(足利義維)が4年ほど機能させていた臨時政府らしいんですが、そのことを全然知らなかった、を通り越してそもそもこの時代に大きな出来事があったということすら全く触れて…

「ここまでわかった 戦国時代の天皇と公家衆たち-天皇制度は存亡の危機だったのか?」歴史新書y057、日本史史料研究会・監修/神田祐理

ここまでわかった 戦国時代の天皇と公家衆たち―天皇制度は存亡の危機だったのか? (歴史新書y) 作者: 日本史史料研究会,神田裕理 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2015/12 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る とりあえず日本の歴史というのが…

「金属の中世-資源と流通」考古学と中世史研究、五味文彦/小野正敏/萩原三雄編

少なくとも中世の頃に金属が一般的に流通していたことは間違いないんですが、いくつかなりと遺跡も記録も残っているしね、ただ、その主流が鉄ともなってしまうと修繕やリサイクルが可能なことが最大の特徴なのでほぼほぼ回収されてしまい、いつ頃使用され始…

「もっと知りたい茨城県の歴史」歴史新書、小和田哲男・監修

もっと知りたい茨城県の歴史 (歴史新書) 作者: 小和田哲男 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2015/01/09 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る この前にたまたま同じレーベルの宮城県の本を読んでいたんですが、あー、なんとなく交通の要所としての共…

『日本古代中世史 '11』#13「地域社会の形成と応仁の乱」

この回の講義を聞いていて室町時代に関してをこの中島圭一さんが担当したというところに深く納得したんですが、いや、中央政権周辺の事情に関してはむしろ若干古い気はしたんだよね、特に足利義政(8代)が政治に意欲のある独裁者だったという辺り。初期の…

「鍛冶道具考-実験考古学ノート」神奈川大学日本常民文化叢書、吉川金次

様々な鍛冶関係の資料の中からその道具を再現し、実際のところはどのような形状だったのかそれが理に適っているのか、というところを検証した本で、神奈川大学が関わってはいるものの書いておられるのも検証しているのも技術屋の方という内容。で、すごくざ…

「遠の朝廷・大宰府」遺跡を学ぶ076、杉原敏之

遠の朝廷・大宰府 (シリーズ「遺跡を学ぶ」076) 作者: 杉原敏之 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2011/08/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 1回 この商品を含むブログ (2件) を見る ところでこの本の中で出てきた観音寺ってどこの寺の関係だ…

「鬼伝説の研究-金工史の視点から」若尾五雄

そもそも修験道が鉱山開拓をしていたんだよ、ということすらところによっては証拠のない疑問視扱いされていたり、全く触れられていないことなどもあったのですが、これだけ各地で明言されている分量があるのならばもう普通に認めてもいいよね?! という気持…

「室町幕府と地方の社会 シリーズ日本中世史(3」榎原雅治

室町幕府と地方の社会〈シリーズ日本中世史 3〉 (岩波新書) 作者: 榎原雅治 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/05/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (6件) を見る 今の時点までで読んでいる中で「応仁の乱」に関して一番きちんとまとまった本で…

「桶狭間の戦い-信長の決断・義元の誤算」歴史新書y008、藤本正行

まあ一言で言ってしまえば30分くらいで読めたので別に悪いとは言わないのですが(既存の説が大量に盛り込まれていたから、なにかを読む時には参考になる可能性もあるしね?)(ない可能性もあります、この程度なら別に読めばわかるしなぁ…)、既存説を取り…

『鉄道ファン』2013.6月号「新幹線最前線320キロ時代の到来」

えーと、表紙はミニ新幹線である秋田新幹線のE6、あの真っ赤なの格好いいよね。特集タイトルになってる320キロというのは東北新幹線ですよね、あと東海道新幹線+山陽新幹線区間に新しくN700Aが登場した初期の頃のようで、現在2014年になると…

『日本古代中世史 '11』#11「中世前期の神仏と文化」

そもそも一回見た時点ではよくわかっていなかったんですが、平安時代の顕密仏教(まあ鎌倉新仏教とか禅宗以前の古い仏教)がどうして庶民に対してのものではなかったのか、という説明はあれですね、そもそも寺の中に下部機関である院が作られ、一つの院が一…

「邪馬台国と「鉄の道」-日本の原形を探究する」歴史新書y015、小路田泰直

邪馬台国と「鉄の道」 (歴史新書y) 作者: 小路田泰直 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2011/04/06 メディア: 新書 クリック: 5回 この商品を含むブログ (1件) を見る 主に良いところを挙げて行きますと日本と大陸が交易をしていたのならば日本からも輸出さ…

『日本の美術98 室町彫刻』上原昭一・編

で、ここで彫刻に関してのシリーズはどうやら終わるようなのですが、大雑把に正確な時代区分というよりも今で言うところの判子絵めいた、ほぼ同じ規格の仏像が頻出するようになった時期以降が主に取り扱われていた、と言ったところでしょうか。確かに申し訳…

「あなたの知らない茨城県の歴史」歴史新書、山本博文・監修

あなたの知らない茨城県の歴史 (歴史新書) 作者: 山本博文 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2012/11/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る この前に多分同じようなチームで作っているのだろう「江戸300藩」のシリーズや、水戸藩単体の本を読ん…

「荘園絵図が語る古代・中世」日本史リブレット076、藤田裕嗣

荘園絵図が語る古代・中世 (日本史リブレット) 作者: 藤田裕嗣 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2009/02 メディア: 単行本 クリック: 4回 この商品を含むブログ (1件) を見る 個人的には荘園の形成とその影響のようなものを知りたかったのですが、これ…

「織田信長・豊臣秀吉の刀剣と甲冑」飯田意天

タイトルはこんな感じになってますが、信長や秀吉を筆頭に近い時代の武将の武具に関しての本で、正直なところすごく見やすい読みやすい本でした、ただ、この時代の資料がこんなに綺麗にまとまっているわけはないので…もうちょっと原典を出してくれたり、異説…

「車両を造るという仕事-元営団車両部長が語る地下鉄発達史」交通新聞社新書066、里田啓

車両を造るという仕事―元営団車両部長が語る地下鉄発達史 (交通新聞社新書) 作者: 里田啓 出版社/メーカー: 交通新聞社 発売日: 2014/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 営団地下鉄時代の日比谷線車両を造っている時代に営団に入社、その後東…

『日本古代中世史 '11』#10「鎌倉幕府と武士の成長」

要するに鎌倉幕府には民衆慰撫(統治? 生活保障? わりと曖昧な意味みたいですが)という発想があったのかななかったのかな、というのが講義のテーマではないかと思うんですが、いやまあ、武士からの忠誠を勝ち得るってのが、幕府においてさすがになかった…

「名物刀剣-宝物の日本刀」佐野美術館/徳川黎明会徳川美術館/富山県水墨美術館/根津美術館

この本(目録のようなものかな?)の中でそもそも否定されているのですが、日本刀における「名物」というのはざっくり『享保名物帳』に載っている刀がまず代表的なもので、それ以外の独自基準で、ぽち、ぽちぽち。ここで名物帳以外で載っていたのは名家の秘…

「信長の血脈」山本博文

ちょうどこの本を読んでいたのが2016年(5月ですね、いつこのデータを反映するかは不明ですが、溜め込むタイプなので)で大河と時代が被っていたのでそういう意味ではわりと面白く読めたものの、人名頻出なので戦国時代好きではないとちょっと面倒かな…

『日本の美術50 藤原彫刻』中野玄三・編

一言で言うと平安時代後期、仏師の系譜で京都に円派、院派、奈良に慶派が存在しているというのは聞いていたんですが、ああ、仏師の系譜って集団なのはこの三派で打ち止めだったのか…。で、この三派は全て平安時代後期の定朝という人物から始まり、京都の二派…

「もっと知りたい宮城県の歴史」歴史新書、小和田哲男・監修

もっと知りたい宮城県の歴史 (歴史新書) 作者: 小和田哲男 出版社/メーカー: 洋泉社 発売日: 2015/02/05 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る うーん、悪くはないんですがどっちかというと「あなたの知らない」のほうが面白かったかな、こっちのほう…

「鉄道会社の経営-ローカル線からエキナカまで」佐藤信之

すごく個人的に東急の(鉄道会社としては別に嫌いでもなんでもないけど)いわゆる「土地戦略」に関してはあんまり評価していなくて、少なくとも他の会社が真似していいものとは少しも考えていないものの、この本を読んでわりと今まで結び付けて考えてこなか…

『日本古代中世史 '11』#9「中世のはじまりと院政というシステム」

前回講義を見たことを忘れたまま急いでまとめていたんですが、よくよく考えたらその時点で結構インパクトの大きい国司の制度の説明があって、そこの部分の印象はかなり深く残っていたようです。というか今の私、国司(もしくは国衙)の中から武士が出てきた…

「東日本最大級の埴輪工房・生出塚埴輪窯」遺跡を学ぶ073、高田大輔

東日本最大級の埴輪工房・生出塚埴輪窯 (シリーズ「遺跡を学ぶ」073) 作者: 高田大輔 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2010/11/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 要するに最後まで読んでこの「埴輪工房」というのが一体なん…

「足利義満-法皇への夢を追った華麗な生涯」日本史リブレット039、伊藤喜良

足利義満―法皇への夢を追った華麗な生涯 (日本史リブレット人) 作者: 伊藤喜良 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2010/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 足利将軍って正直この三代将軍と初代の足利尊氏くらいしか知らない、でもそ…