日本近代史

「朝日新聞の記事にみる 東京百歳〔明治〕〔大正〕」朝日新聞社

交通関係が目当てで読んだのだけれども、なんだかいろいろと収穫があったような気がする、当時の値段を考えると無理もない気がするが、主に記事になっているのは東京馬車鉄道に市街鉄道系の私鉄が多く、なにか国家イベントがあると中央線が乗っかったよ、と…

「人われを事業の鬼と呼ぶ-浅野財閥を創った男」若山三郎

とりあえず本の終盤の少し前辺りで東洋汽船が日本郵船に吸収されてしまったのは「まあなんかしょうがない…」と思ってしまったというのが正直なところだったのですが、日本郵政の横暴に立ち向かうためって部分と、安田善次郎のバックアップがなければもっとず…

「民の光芒-電力・闘魂の譜」志村嘉門

明治時代からの近代化の流れの中で、国の支援を多かれ少なかれ受けた産業がほとんどだった中で、ほぼ最初から最後まで民間の力のみで開発された(東北にあった官営企業はその例外だったみたいですね、というか電力関係の人たち官嫌い結構いそうだよなぁ…無理…

「爽やかなる情熱-電力王・松永安左エ門の生涯」水木楊

電力王とか言われても正直、ついこないだまでの私も含めて(戦前の鉄道やってたらなんか当たり前みたいに電力関係が出てきたもので)戦前の発電や配電事情をご存知の方からあまり多くないんだろうなと思えないでもないんですが。 とりあえず戦前は基本的に群…

「電力技術物語−電気事業事始め」志村嘉門

もともと『電気新聞』に掲載されていた(平成5年頃だそうですが)約1年の連載をまとめた本で、要するに「ペース配分間違えちゃったてへ☆」という意味だと思ったんですけど間違ってないよね? 電気そのものの日本の黎明期の話、国会議事堂の火事の原因とさ…

「天皇陵の誕生」外池昇

まず天皇陵とはなんぞや? というところから始めて、どうも明治の頃にはすでに神聖な土地であり立ち入りをしてはいけない、という発想はあったものの、実際の古い墓、というか古墳には基本的にそこに葬られた人物の名前というものが記されておらず。 じゃあ…

「電力人物誌−電力産業を育てた十三人」満田孝

技術ってなんとなく明治になってから欧米からばーっと入ってきたんだよ、という印象がありまして、実際そういう産業もあるにはあるものの、電気なんてのは日本に入ってきたのと実用に耐えるようになったというのはそんなに時代が離れてないというか「輸入だ…

「東武王国−小説 根津嘉一郎」若山三郎

東武というのはまあ関東人なら誰でも知っているというか、「なんか23区から見て右上」にごちゃっと存在しているというところまで含めて全国的に知られているような気がするのですが、あくまでその創設者ではなく、初期の頃の建て直しに参加して以降、次代…

「帝都復興の時代−関東大震災以後」筒井清忠

まあざっくり前半、というか前から3分の1くらいはもともと存在している「震災後復興について」の文章などを念頭において、でも実際にはこんなでこんなだったんだよ、という説明に終始していましたものの、そちらの系統の本のほうを読んでいなかったので重…

『乗合自動車乗客調査実績 昭和4年度』東京市電気局電車課

なぜか渋谷区の図書館にあったので(沿線の私鉄の無料冊子をまとめたものなどもあったので、要するに郷土資料に近いのかな、とは思うんですがw)、好奇心で借りてはきましたものの、正直最初のほうがかなりページがごっそりとない体裁。 そもそもコピーで製…

「戦艦入門−動く大要塞徹底研究」佐藤和正

戦艦というのはあれですね“戦艦大和”とかのあれですね、ちなみに宇宙に飛び出して行かなくなってから(脳内で)、まだ半年かどうかといったところなので、詳しいかというと詳しくないというか、やっと本がきちんと一冊読めた! とかそんなレベルです、戦記っ…

『プロジェクトJAPAN』プロローグ−戦争と平和の150年(1

まあ母上はこれが“9条”のために作られた番組だと主張するわけですが。 正直ぶっちゃけまして、その切り口がやけに薄っぺらく聞こえるのはそういう世代だからでしょうか、わかりやすく言うと「それ聞き飽きた」というか。個人的には全く聞いた覚えのなかった…

「ミカドの肖像」猪瀬直樹

正直とても面白かったのですけれども、これはあれだね? 前評判や帯に反して堤康次郎氏(しかしあくまで西武グループ主体のイメージな気がする)の本ではないんだね、ということを飲み込むのに時間が掛かってしまって読み進められず、一旦返却するというよう…

「江戸東京・街の履歴書3 新宿西口・東口・四谷あたり」班目文雄

新宿の辺りがもともと「内藤新宿」と呼ばれていて、一種の花街を形成していたということはなーんとなく聞いたことがあるのではないかと思うのですが。つか、花園神社の中のお稲荷様の裏にはでーんと男性器を象った石が置いてあるし、投げ込み寺(死んだ遊女…

「歴史に好奇心」明治サイエンス事件帳 #4 ハレーすい星大接近! 地球滅亡騒動

あ、なんだ、思ったよりは少数派だったんですね、ハレー彗星に本気でパニック起こしてた人たちって、というか、ハレー彗星の尻尾のところに毒ガスに相当するものが含まれているというのは事実だったんですね。大気圏やら重力やら細々した関係で特に問題がな…

「歴史に好奇心」明治サイエンス事件帳 #3 幻の発見 新元素?ニッポニウム?

ええええ、脚気の原因に気付いた、という話はわりと有名で(よく聞くよね、むしろ玄米のが価値あるよ! というイメージの元じゃない?)、海軍ってことも兵隊に食べさせるために白米を用意したよ、ということまでばっちり聞いていますのに、その後、一笑され…

「歴史に好奇心」明治サイエンス事件帳 #2 千里眼事件 闇に消えた超能力

大雑把なところを知っているのは毎度のことではあるのですが、もう少しこうなんというか「暴かれて」終わったものだと勘違いしていました、そうか、もともとの被験者が立て続けに亡くなってしまったことで頓挫してしまったのか。。。 いや、だから正しい、と…

「歴史に好奇心」明治サイエンス事件帳 #1 ?こっくりさん?に挑んだ妖怪ハンター

全4回のシリーズ中、多分全部元ネタをなんかしらの形で聞いたことがあるらしい、と気付いて我ながらびっくりしているわけですが。まあ単に、この辺の時代が面白いから、という面もあるのかなぁ(文明に接したことによる揺れ戻しの時代、みたいなね)。 (そ…

「この人この世界」ニッポン近代化遺産 #4 山林王の奇想の邸(やしき)―桑名、諸戸邸

借金から始まった(自立後)人生といい、成長後もばっちり締めるところは締めていたところといい、人生の終焉間際の水道敷設工事といい、起承転結が些か完璧すぎるような気はしないでもなく(んにゃ、教育や環境には前向きだったそうっすが)。 諸戸清六 (初…

「この人この世界」ニッポン近代化遺産 #3 閉ざされた銅の山、忘れられた島―別子銅山、四阪島

現在は閉鎖された銅山地域で、、、ああ、今も他で掘ってるのか。 前に『世界遺産』で石見銀山の番組を聞いた時にも思っていたんですが日本の鉱山って職人が管理しているというか、ある程度の健康被害を覚悟の上の高給取りだったようですね(西洋なんかだと児…

「この人この世界」ニッポン近代化遺産 #2 夢の総合開発プロジェクト―琵琶湖疎水

一言で言っても文章で語るにしても、まあ似たような内容かなと。 琵琶湖疏水−Wikipedia 要するに琵琶湖から京都の街へ伸ばされた人工用水路で、これは私、全く存在を存じ上げなかったんですがさすがに地元の人が無視できるようなシロモノとは思いに…

「この人この世界」ニッポン近代化遺産 #1 煉瓦(れんが)は語る・埋もれた原点―猿島、横須賀製鉄所

といっても日本の海軍で、まともに活躍したのは海外から買い込んだ艦やら小さな艦くらいだったらしいのですが、そしてどっちゃかというと、世界一の海軍力が他の分野にも及んでいると思い込んだマイナス効果が一瞬でぱっと思い浮かぶわけですが。 (軍事には…

「戦中ロンドン日本語学校」大庭定男

誰か適当なところでちょっとくらい止めろっていうか、いくらなんでもこうまで日本への愛にだだ溢れた教官さん(多分一番偉い)はどうかと思うというか。えー、そもそもなんの本かと言いますと、「対日」に備えて兵士に日本語を教えた学校の本です。 そしてピ…

「輸送船入門」大内建二

“日英戦時輸送船ロジスティックスの戦い”が副題、主に日本が戦争終結までどれだけボロく沈められたか、という話が前半。後半でドイツのUボートにどれだけしつこく付け狙われた、というところからそれを跳ね返すシステムを構築、戦後の船舶の技術にも貢献し…

「昭和八年 澁谷驛」宮脇俊三

大雑把に昭和一桁生まれ、でいいんだっけ? まあ、大正と昭和の狭間のような時期に生まれた方の渋谷駅(概ねこの駅関係の沿線に住んでらしたみたいですね、ちょっとわかりにくかったけど、お父さんが国会議員だったって認識でいいのかな?)を中心にしたかつ…

「日英同盟−同盟の選択と国家の盛衰」平間洋一

少なくとも、かつて同盟してた国と戦争にまで至ったんだから中国はよくないよ! というのは日英同盟の本で語るべきではないよーな気はしました(日本とイギリスのことはベタ褒めです)、あと、海運国は周囲が海だから高い見識があるというのは日本の不明っぷ…

「戦闘機「隼」−昭和の名機その栄光と悲劇」碇義朗

飛行機に関る人間て皆そんなか! と突っ込みたくなってしまうようなそんな本でしたがぁ、多分この筆者さんが他にも戦闘機関係の本を書いているからってだけですよねー、気付いたら日本が戦争に負けてたって状況になっちゃってるのは。 ええ、なに?! 寝耳に…