東京史

「水の東京」ビジュアルブック江戸東京5、陣内秀信

もともと図書館に並んでいるのをわりと長いこと眺めていたシリーズで、江戸から東京に変化する近代には興味があるものの、江戸そのものは微妙に外れるので少し迷っていたが、著者さんの名前を知っていた(地中海の建築研究の人ですね)こともあって手に取っ…

「地形を楽しむ東京「暗渠」散歩」本田創/編著

扱われていた土地がどちらかというと東京の西側が多いなぁ、ということを考えていたのだけれども、東側は確か明治期に入ってからの荒川放水路を初めとした「瀬替え」(江戸時代の用語なんですがわかりやすいもので)が行われていて、こちらとはちょっと事情…

「多摩川自然めぐり-美しい生きものたちとの出会い」藤原裕二

正直身近で縁のある川というと、広域水害指定された渋谷川と、暗渠化された玉川上水開渠部分、というあまりにもお粗末な惨状なんですが。よく考えたら中央・総武線と平行してる神田川忘れてたわ、あれもだいぶ綺麗になりました、水が黒くないし! (この本に…

「昭和の東京1 新宿区」加藤嶺夫写真全集、川本三郎/泉麻人

新宿区というとまあまず誰でも思い浮かべるのが新宿駅ではないかと思うのですが、えーと、大雑把に西南のだいたい3分の1くらいが渋谷区ですね実はあれ。ちょっと区切りが鉄道とは違うというか、まあ道だったり元水路だったりするのですが、なので都庁の辺…

「凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩」皆川典久

昔江戸は湿地だった、みたいなことは日本人ならだいたい知っているレベルであろうものの(授業中に寝てなければ)、さて、実際にどういう地形になってるんだろう、と言われるとよくわからないというか、そういやよく考えたら江戸時代にすでに開削技術が結構…

「新宿学」戸沼幸市/青柳幸人/高橋和雄/松本泰生

そもそも江戸時代に徳川の私道として作られた甲州街道の、他の4宿から60年ほど遅れて浅草の商人たちによって開かれた「新宿」は、みたいなことは歴史の本を読めば結構書いてあるものなんですが、というか、ざっくり最近読んでる範囲を超えるような内容が…

「地図物語 地図と写真でたどるあの日の日本橋-昭和26年から30年代の思い出と出会う」佐藤洋一/武揚堂編集部

あの日の日本橋―昭和25年から30年代の思い出と出会う (地図物語) 作者: 佐藤洋一,武揚堂編集部 出版社/メーカー: 武揚堂 発売日: 2007/09 メディア: 大型本 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る そもそも私、初期の東京市15区(明治11年からで結構…

『東京人』2013年03月号「渋谷100年物語」

東京人 2013年 03月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 都市出版 発売日: 2013/02/01 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る 私渋谷区民なんですが、この「渋谷」という土地がどの辺を差すかというと、という区内で作られた文章を読んでいると大抵が渋…

「中央線-カルチャー魔境の歩き方」ダ・ヴィンチ特別編集、G.B.

まああれなんですが、中央線のイメージと言われましたら個人的には新宿-東京で、よく止まるけどなんだかんだと使いますよっていう(山手線使うとか使わないとかあんまり考えたことがないですが次に「使って当然」なのがこの中央線っていうか)、そんなこと…

「春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史」フィールド・スタディ文庫6、田原光泰

春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史 (フィールド・スタディ文庫6) 作者: 田原光泰,芳賀啓 出版社/メーカー: 之潮 発売日: 2011/05/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 12回 この商品を含むブログ (3件) を見る わりと長いこと渋…

「空港のとなり町 羽田」宮田登

羽田っていうともう「空港の町」以外の認識がないというか、その地名があくまでも元漁村のものである、というところからピンとこないのではないかという気もするのですが、この本の中にも時々出てきていた私鉄の京急沿線の人にとっては少し違う印象なんじゃ…

「都市が滅ぼした川-多摩川の自然史」加藤辿

東京23区の西側、私鉄の新宿寄りに住んでいて川というと「どぶ川」「暗渠」と「中央線沿いの緑色をしたお堀」というくらいの印象しかない世代の人間で、この本が出版された1973年よりはそれでもあとなので、いつの頃からかお堀の中にドーナツのような…

「都庁-もうひとつの政府」佐々木信夫

この本が1991年の発行で、ええと、前都知事の石原さんが都知事になったのが1999年か…なんか思ったより最近、てわけでもないんですよね、正直前都知事以前もばっちり記憶にあるのにちょっと印象が深すぎるw 多分この手の本も一旦出し直しを迫られた…

『東京人』2013年01月号「空から見た東京の今昔」

東京人 2013年 01月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 都市出版 発売日: 2012/12/03 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 基本的に空撮の現在と過去のある時点での違いをメインにした特集だったのですが、印象に残ったのが東京は道や土地の区画はほとんど変…

『東京人』2013年08月号「東京の古道を歩く」

東京人 2013年 08月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 都市出版 発売日: 2013/07/03 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (2件) を見る 今でも甲州街道を当たり前のように生活の指針に(越えるの地味に面倒なんですよね、首都高のジャンクションがある地域です)…

「都市と娯楽-開港期~1930年代」首都圏史叢書5、奥須磨子/羽田博昭

章タイトルになっていた京王が目当てで借りたのですが(他に目蒲・東横の東急系と大師・穴守の京急系の路線の話も免許乱立補助金、経営難航って感じで面白かったんですが、微妙に主題と合ってないよね?)、まああれだ、よく土地の資料とかでも出てくる「ど…

『東京人』2011年10月号「観光まちおこし」

あくまでも一昨年の本なので今年評判になったスカイツリーだの渋谷ヒカリエだの、みたいなそんなレベルで、そうそう去年はちょっと日本橋が話題だったんだよな、あ、しまった日本橋テーマの映画(なんでしたっけ『新参者』だっけ?)見損ねちゃったな、とか…

『東京人』1997年10月号「競馬場へようこそ。」

自分の沿線に府中競馬場(じゃなくて東京競馬場って言うんだねあれ、記事を読んでいてもどっちの名称も出てくるので時々混乱w)があるもので、というか、時々競馬場に向かう人たちのための臨時列車がねじ込まれる関係で薄っすらと認識してはいたものの、あ…

『東京人』2012年02月号「日比谷 権力と洋風娯楽の中心地を歩く」

日比谷っていうと前にNHKの『ブラタモリ』でもと入り江の埋立地なんだよん(だから緩やかなこう配が残ってるんだっけ)、ということを聞いたのをなんとなく覚えているのですが、日比谷の地名が入り江特有の「ヒビ」が元なのか「しび」(なんのこと? これ…

『探検バクモン』江戸・東京400年タイムトラベル 文明開化編

私の今の守備範囲が近代以降なので(大学の頃に日中戦争前史、中国サイド)、まあ正直、江戸東京博物館に行った時も近代パートも悪くはなかったんですが、やっぱり江戸のボリュームに比べるとちょっと物足りなかったかなぁ、という気が。 江戸から東京への転…

『探検バクモン』江戸・東京400年タイムトラベル 八百八町編

去年だったかに「ぐるっとパス」という博物館や美術館などの共通券を買って一時博物館巡りをしていたことがあるんですが、その時に正直ぶっちぎりで面白かったのはこの“江戸東京博物館”でした。んー、なにが、と言われると難しいんですが、見るだけでなにか…

『奇跡の地球物語』多摩川~よみがえった清流

正直この番組の中で四万十川などと比べていたところまでは意味があることかな、と思えたものの(BODっていう水質の基準があるみたいですね)(でもある程度なら栄養があるほうが魚にとっては居心地いいって言うよなぁ)、ロンドンのテーヌ川はむしろその…

『東京人』2011年06月号「歴史で歩く東京の公園」

そういえば前に博物館巡りをしていた時に(都のぐるっとパスがあったんで)、飛鳥山公園に行ったら紙の博物館と渋沢栄一の史料館があったな、と思い出したのだけれども渋沢栄一ってそもそもあの辺に住んでいたのか、前に建築の番組見てた時の晩香廬と青淵文…

「高尾山にトンネルは似合わない-千年の森と高速道路」辰濃和男

東京という都市が拡大しているのは“グリーン・ベルト”の設置も行わず、拡大を阻止するための方策を取らなかったためであって自業自得、都心部の交通の補佐のために今から圏央道などを作ったところで首都圏の拡大が起こるだけで泥沼だ、ということが本の最初…

「首都防空網と〈空都〉多摩」鈴木芳行

首都防空網と〈空都〉多摩 (歴史文化ライブラリー)作者: 鈴木芳行出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 2012/11/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 多摩というのが具体的にどこかというと(近隣だと多摩ニュータウンなどは聞いてる気もし…

「東京都の誕生」歴史文化ライブラリー135、藤野敦

人口比としては10%しかいない武士が江戸においては50%存在し、それとほぼ同数の庶民が15%の土地の中にひしめいていた、ということをとりあえず本での評価を無視して噛み締めてみると地味に思ったより武士が住んでる地域が多かったような気がすると…

「淀橋浄水場史」東京都水道局

新宿西口(西新宿)の正面にかつて淀橋浄水場という巨大な浄水施設があって、というのはこの辺の人間にとってはわりと自然に知ってることなんですが、遠くの人にとってはどういうものなんだろうなぁ、今は都庁になってたり、京王プラザホテルとか建ってたり…

「江戸東京・街の履歴書2-浅草・上野・谷中あたり」班目文雄

浅草は、というよりは正確には浅草寺が、なのかな? 江戸よりも古いんだよ、と言われると詳しいことはわからないながら、なんとなく納得するものがあるんですが、全ての鉄道があの辺で敷地を避けて歪曲していることといい、新吉原が日本橋の近くから移転され…

「江戸東京・街の履歴書4-銀座・有楽町・築地あたり」班目文雄

明治くらいの本を読んでいると銀座を煉瓦街にしたために病気になるとかなんとか言われて、というような言い回しをよく見るのですが、そもそもなんでこの煉瓦街というものが出来たのかというと官庁街に比較的近い(タイトルにも有楽町とかあるしね)、なんだ…

「地図物語 地図と写真でたどるあの日の浅草-昭和26年から30年代の思い出と出会う」佐藤洋一/武揚堂編集部

地図物語 地図と写真でたどるあの日の浅草―昭和26年から30年代の思い出と出会う作者: 佐藤洋一,武揚堂編集部出版社/メーカー: 武揚堂発売日: 2006/12メディア: 大型本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る昭和26年作成の、えーと、A4サイズの約4倍…